ソフィアインプラントセンター

名古屋市 インプラント治療・審美歯科

インプラント治療を受けるときに考えるべきこと

はじめに

私はニューヨーク大学歯学部ならびにニューヨーク大学大学院(GSAS)に留学中の1983年に、現在世界中で広く行われているオッセオインテグレーテッドインプラントを用いた歯科治療に巡り会い、その後、現在に至るまでインプラント治療を行ってきました。この間の詳しい経緯については、このホームページ内の「私のインプラント履歴書」で紹介していますので、そちらをご覧ください。

この項では、今までの約30年間の治療経験をもとに、患者さんがインプラント治療を受けられるに当たり留意していただきたい、いくつかのポイントをご紹介したいと思います。

考慮すべき三つのポイント

インプラント治療を受けるときに考えるべき大きなポイントは、①歯は保存すべきか抜去すべきか、②今、本当にインプラント治療が必要なのか、そして③経済的側面です。他にも検討すべきポイントはいくつもありますが、主としてこの3点について事前にしっかりと検討することで、患者さんの負担が最小限となり、インプラント治療の長期的な成功、そして最終的に患者さんの満足につながると考えます。

この3点について考える上で、重要なキーワードがあります。それは、benefit/risk assessment (ベネフィット・リスク評価)です。これはインプラント治療に限らず、日常的なあらゆる行動の選択肢を検討する上で、ある選択をした場合のベネフィット(有益性)とリスクを比較し、ベネフィットが大きくリスクが小さい行動を取るほうが良いという、ごく当たり前の考え方の基礎となるキーワードです。

①歯は保存すべきか抜去すべきか

誰がどう考えても保存不可能な歯は抜去するしかありませんが、短期、中期的には保存できそうな歯が存在する場合に、この問題が浮上します。このテーマはとても複雑で、患者さんごとに異なるさまざまな要素を多角的に検討して結論を導くことが必要です。

保存できる歯を抜去すると不要なインプラント治療を受けることになりかねません。
反対に、抜去すべき歯を保存すると、あとでインプラントの再治療を受ける可能性が高まります。このことを念頭に置いて、よくお考えください。

②今、本当にインプラント治療が必要なのか

私は、インプラント治療というのは基本的にはelective procedureだと考えています。electiveという形容詞は「必修ではない、随意の、緊急のものでない」という意味で、elective単独で名詞扱いだと「選択科目」という意味を持ちます。つまり、ブリッジや入れ歯などの既に確立された治療法が存在するなかで、手術を伴い、費用的にも比較的高額であり、インプラント周囲炎のリスクも伴う治療を必ずしも選択しなくてもいい患者さんもいらっしゃると思います。

インプラント治療かそれ以外の治療かで迷っていらっしゃる方は、ブリッジや入れ歯と慎重に比較検討した上で、インプラント治療のほうが十分にベネフィットが大きいと判断された場合に受けられれば良いと思います。無傷の歯を大量に削らなければブリッジができない場合は別ですが、そうでなければあとからインプラント治療に切り替えても差し支えないケースも存在します。

多くの患者さんにとって、すぐにでもインプラント治療を開始しなければ大きなデメリットがただちに生じるということはありませんので、あわてずにしっかりとお考えください。

③経済的側面

ブリッジや入れ歯と比較すると、やはり一般的にインプラント治療のほうが一時的には高額になります。これはインプラント治療では必ず手術が必要なこと、材料や技工料が高額なこと、治療のプランニングや実行により多くの時間がかかることなどから、やむを得ないのです。ただし、有効なインプラント治療を受けることで長期的にお口の健康、ひいてはメンタルも含めた全身の健康を取り戻すことができれば、長期的にはかえって経済的であるといえます。

経済的側面はインプラント治療のベネフィット・リスク評価を行う上でとても重要なポイントですので、十分に時間をかけてさまざまな角度から慎重に検討すべきでしょう。

インプラント治療を受けるときに考えるべきポイントは、この他にも数多くあります。何本のインプラントが必要なのか、2回法と1回法はどう違うのか、即時荷重で本当に大丈夫か、スクリュー維持とセメント維持のどちらにするか、人工歯の素材は何がいいのか、どのブランドなら信頼できるのか、さらにはどういう歯科医師なら安心できるのか等々、検討すべき事柄が多岐にわたるため、患者さんにとってはとても悩ましいことと思います。ですが、大きなポイントは上記の3点だと私は考えます。これらをベースにさまざまな情報を分析し、しっかりとベネフィット・リスク評価を行った上で、インプラント治療について総合的に判断し、インプラントであってもなくてもご自分が納得できる治療を選ばれることが、治療結果に対する長期的な満足につながることでしょう。